今回は、前々回にお伝えした筋肉『僧帽筋』の上部繊維の下側にあるインナーマッスルの肩甲挙筋です。
この筋肉は、肩甲骨を引き上げる際に、僧帽筋の働きを補助する役割を持っています。
頚椎(首の骨)と肩甲骨を繋いでいる為、肩こり・首こりと深い因果関係がある筋肉になります。
また、この部分に疲労が蓄積すると、首や肩周りが重苦しい感じになったり、緊張が強くなっていると朝目覚めた際に、寝違いを起こしてしまいやすい筋肉の1つです。
寝違いの多くの場合、左右の肩甲挙筋の張り具合が異なり、どちらかに顔を向けにくい状態になります。
例えて言えば、首の骨と肩甲挙筋はテントの支柱とロープの関係に当たります。
どちらかのロープが張って、もう片方のロープが緩んでいると、支柱が傾いてしまい、真っ直ぐにテントを立てる事は出来ません。
つまり、頭を支えている首も傾いてしまい、上体を上手く支えられなくなってきます。
これは、肩甲挙筋に限らず、全身の筋肉に左右差があると、身体を上手く支えられなくなってくるので、自分の癖や仕事などでの姿勢を再確認していく必要があります。
では、肩甲挙筋のストレッチです。
左側の肩甲挙筋を伸ばす場合、まず右耳を右肩の方へ行ける範囲で近付けます。
この時、顔は正面を向いたままにします。
次に、上のままの状態からほんの少し頭を前に倒します。
こうすると、伸びている筋肉がまさに肩甲挙筋になります。
右側も同様に、各動作を5秒~10秒くらいキープして痛みがない範囲で行って下さい。
また、下の図のように両手を身体の前で交差して肩に置き、肩をすくませる(肩を上げる)力と両手で肩を押す力が釣り合う状態を5秒キープして、脱力させると言う方法もあります。
これは、10セットくらいやってみましょう。
以上、首こり・寝違いになりやすい筋肉『肩甲挙筋』の解説でした。
次回は、『棘上筋(きょくじょうきん)・棘下筋(きょっかきん)』の働きとストレッチについて説明していきます。